塾長ブログ

2025/03/21
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宇宙は広がり続けている…では恒星は増えているのか?

「宇宙は膨張している」という話を聞いたことがある人は多いと思います。ビッグバンによって誕生した宇宙は、今もなお広がり続けていると言われています。では、宇宙の広がりとともに、太陽のような恒星の数も増え続けているのでしょうか?今回は、宇宙の膨張と恒星の形成の関係について考えてみましょう。


1. 宇宙が広がるとはどういうことか?


宇宙の膨張とは、空間自体が拡大しているということです。これは、風船にマーカーで点をいくつか描き、風船を膨らませるとそれらの点が互いに遠ざかる様子に例えられます。私たちが住んでいる宇宙も、まるでこの風船のように銀河同士が遠ざかる形で膨張しています。


しかし、この膨張は「銀河の中の恒星同士が遠ざかる」という意味ではありません。銀河内の重力があるため、恒星や惑星は膨張の影響をあまり受けません。 つまり、宇宙が膨張しているからといって、私たちの太陽系が広がったり、地球と月の距離がどんどん遠ざかったりするわけではないのです。


2. 宇宙の膨張と恒星の誕生は関係があるのか?


恒星は、宇宙の広がりとは別のメカニズムで誕生します。恒星の材料となるのは、主に水素やヘリウムといったガスです。 これらのガスが密集し、重力によって圧縮されると、核融合が始まり、新たな恒星が誕生します。


つまり、宇宙が広がっていることと、恒星が増えることは直接関係しません。
恒星の誕生には「ガスが密集する環境」が必要ですが、宇宙が広がることで、ガスが広がりすぎると、逆に新しい恒星が誕生しにくくなる可能性もあります。


3. 現在、新しい恒星はどのくらい生まれているのか?


現在も宇宙では新しい恒星が生まれ続けています。 私たちの銀河系(天の川銀河)だけでも、年間に1~3個程度の新しい恒星が誕生していると推測されています。


また、「星のゆりかご」と呼ばれる星形成領域が銀河内には存在し、そこでは今も活発に新しい恒星が生まれています。
例えば、オリオン大星雲(M42) – 地球から約1,344光年離れた場所にあり、新しい恒星が誕生しているエリアの代表例です。


しかし、銀河によってはすでに恒星の形成がほとんど止まっている場所もあります。銀河の進化によって、恒星の材料であるガスが枯渇すると、新しい恒星は生まれにくくなってしまいます。


4. 宇宙が広がることで、恒星の数は減るのか?


長い目で見ると、宇宙の膨張は恒星の形成を減少させる要因になる可能性があります。
現在の宇宙はまだ星が生まれる「星形成時代」ですが、将来的には次のような変化が予測されています。


ガスが広がりすぎる – 恒星の材料が密集しにくくなり、新しい星が生まれにくくなる。
既存の恒星が寿命を迎える – 何十億年、何百億年という時間の中で、多くの星が燃え尽きていく。
「暗黒時代」に突入する可能性 – 数千億年後には、ほとんどの星が寿命を迎え、新しい星もほとんど生まれない暗い宇宙になるという予測も。


5. まとめ:宇宙が広がると恒星はどうなる?


✅ 宇宙が広がっていても、銀河内部の恒星形成には直接関係しない。
✅ 現在も宇宙では新しい恒星が生まれ続けているが、そのペースは銀河によって異なる。
✅ 将来的には、宇宙の膨張によって恒星の形成が減少し、最終的に宇宙は「暗黒時代」に向かう可能性がある。


宇宙の広がりと恒星の増減は、単純な関係ではなく、非常に長い時間をかけて変化していくものです。現在の私たちが見ている宇宙は、まだ「星が生まれる宇宙」ですが、これが永遠に続くわけではないのかもしれません。

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