理解したと把握したの違い-生徒が本当に理解できているかを見極める方法
授業中に生徒に問題を解説すると、「理解しました」と答えることがよくあります。しかし、実際に同じ問題を解いてもらうと解けないケースも少なくありません。これは、「理解できた」と思っていても、実際には「把握」できていないためです。今回は、「理解」と「把握」の違いについて考え、生徒が本当に理解できているかを見極める方法を探ってみましょう。
◎理解と把握の違い
「理解」と「把握」は、似ているようで実際には異なる概念です。これらの違いを明確にすることが、生徒の学習を深める鍵となります。
1. 理解とは
理解とは、知識や情報を頭の中で処理し、意味や仕組みを把握することです。例えば、数学の公式を理解するとは、その公式がどのように導き出され、どのように使うかを知ることです。
2. 把握とは
把握とは、理解した情報を実際に使いこなす能力を指します。つまり、公式を理解しているだけでなく、それを実際の問題に適用して正しく解くことができる状態です。理解が「頭で分かる」ことであるならば、把握は「手を動かしてできる」ことです。
◎なぜ生徒は理解したと言っても解けないのか
生徒が「理解した」と言っても実際に問題が解けない原因はいくつか考えられます。
1. 表面的な理解
生徒は、解説を聞いて表面的には理解したつもりでも、深いレベルでの理解には至っていないことが多いです。表面的な理解だけでは、応用問題や少しひねった問題に対応することができません。
2. 実践不足
理解した内容を実際に問題に適用する練習が不足している場合、把握ができていないことが多いです。理解した知識を使って何度も練習しないと、把握する段階には到達しません。
3. 概念の混乱
複数の概念が絡み合う問題では、生徒が一部を理解していても、全体としてどのように解決すれば良いのかを把握できていないことがあります。
◎理解と把握を深めるための方法
生徒が理解から把握へと進むためには、いくつかの方法があります。
1. 反復練習
同じタイプの問題を繰り返し解くことで、理解した内容を実際に使いこなす力が養われます。反復練習を通じて、知識を定着させることが重要です。
2. 応用問題に挑戦
基礎的な問題だけでなく、応用問題にも挑戦することで、理解の深さを測ることができます。応用問題を解くことで、理解した内容を様々な状況に適用する力が身につきます。
3. 自分の言葉で説明する
生徒に自分の言葉で解説してもらうことで、どれだけ理解しているかを確認できます。自分で説明することで、理解が深まり、把握に繋がります。
4. フィードバックを与える
生徒が問題を解いた後、適切なフィードバックを与えることで、どこが理解できていてどこが把握できていないのかを明確にします。具体的なフィードバックは、次の学習に繋がります。
まとめ
「理解」と「把握」の違いを明確にすることは、生徒の学習を深めるために非常に重要です。理解が頭での認識であるのに対し、把握はその知識を実際に使いこなす能力です。生徒が本当に理解できているかを見極めるためには、反復練習や応用問題、自分の言葉での説明、そして適切なフィードバックが必要です。これらの方法を通じて、生徒たちが知識を深く理解し、それを自在に使いこなせるようサポートしていきましょう。