光はなぜ透過するものとしないものがあるのか?
私たちは日常生活で、光が通るものと通らないものを自然に認識しています。
例えば、窓ガラスは透過するのに、木の板や鉄板では透過しない。
しかし、なぜこの違いが生まれるのでしょうか?
光は電磁波の一種であり、放射線のように粒子の性質も持つと考えられます。
それならば、どんな物質でも光が透過しそうなものですが、そうならないのはなぜでしょう?
今回は 「光が透過するかどうかを決める仕組み」 について、分かりやすく解説していきます!
1. そもそも「光が透過する」とは?
光が物を通り抜けることを 透過(Transmission) と言います。
例えば…
✅ ガラス → 透過する(透明)
✅ 水 → 透過するが、多少屈折する
✅ 木の板 → 透過しない(不透明)
✅ 金属の板 → 透過しないし、反射もする
光はなぜ「透過するもの」と「透過しないもの」があるのでしょうか?
それを理解するためには、光と物質の関係を知る必要があります。
2. 光が透過するかどうかを決めるポイント
✅ ① 光の波長と物質の構造
光は 波の性質 を持っています。
波には「波長」というものがあり、波長が長いか短いか によって透過できるかどうかが変わります。
例えば…
◆可視光(私たちが見える光) は ガラスを透過 しますが、
◆紫外線(UV) は 一部のガラスを通り抜けない(UVカットガラスなど)。
◆X線(レントゲン) は 皮膚を通り抜けても骨は透過しない。
つまり、光の波長によって、透過できるものとできないものがある のです。
✅ ② 物質を構成する電子と光のエネルギー
光は エネルギーを持つ粒子(光子) でもあります。
この光子が、物質の 電子とどう相互作用するか が透過のカギになります。
◆ガラスのような透明な物質 → 電子のエネルギーレベルと光のエネルギーが合わないので、光は電子に吸収されずに透過する。
◆木や金属のような不透明な物質 → 光のエネルギーが電子のエネルギーと合ってしまい、光が吸収される or 反射する。
つまり、電子が光を吸収してしまうかどうか が透過性に大きく影響するのです。
✅ ③ 物質の密度と光の散乱
密度の高い物質(例:金属)は、電子が多く存在し、光を吸収しやすくなります。
さらに、金属は自由電子(動きやすい電子)を多く持つため、光が反射されやすくなります。
一方で、ガラスやプラスチックのように密度が低く、電子の配置が適切な物質では、光が吸収されにくく、そのまま透過します。
✅ ガラス → 密度が低い&電子のエネルギーが光と合わないので透過
✅ 木や金属 → 密度が高く、電子が光を吸収 or 反射するので透過しない
まとめ:光はなぜ透過するものとしないものがあるのか?
✅ 光の波長が物質によって影響を受ける(例:可視光はガラスを透過するが、X線は骨を透過しない)
✅ 光子と電子のエネルギーが合うと光は吸収され、合わなければ透過する
✅ 物質の密度が高いと光は散乱・吸収されやすくなり、密度が低いと透過しやすい
このように、光が透過するかどうかは 「光の性質」×「物質の構造」 で決まるのです。
次回、窓から差し込む光を見たときや、鏡に反射する光を見たとき、
「なぜ透過するのか? なぜ反射するのか?」と考えてみると、ちょっと面白い発見があるかもしれませんね!