塾長ブログ

2025/02/25
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光はまっすぐ進む? それとも…?

私たちは普段、光はまっすぐ進むものだと思っています。
実際、懐中電灯やレーザーポインターの光を見ても、直線的に進んでいるように見えますよね。

しかし、本当に光は常にまっすぐ進むのでしょうか?
実は 光の進む道は、状況によって曲がることもある のです。

今回は、「光の進む道」について、科学的な視点で考えてみましょう!



 1. 光は基本的には直進する


まず大前提として、光は真空中ではまっすぐ進む ことが分かっています。
これは、光の波や粒子(光子)が外部の影響を受けずに進む場合に当てはまります。


実際、太陽の光が地球に届くとき、何も障害がなければ光は直線的に進みます。

しかし、現実世界では光が「曲がる」ことがあるのです。



 2. 光が曲がる理由とは?


✅ ① 屈折:異なる物質を通ると光は曲がる

例えば、水にストローを入れると、ストローが折れて見える ことがありますよね?

これは 光の屈折(Refraction) という現象です。


光が 空気 → 水 → ガラス などの異なる物質を通るとき、
光の速度が変わることで進む方向が変わります。

これは、ちょうど砂浜を走っている人が水の中に入ると、スピードが落ちるのと同じ原理です。
光も水やガラスを通ると、速度が変わってしまい、それによって進む角度が変わるのです。

●例:水中のストローが曲がって見える、プリズムで虹ができる



✅ ② 反射:光は鏡や壁に当たると跳ね返る


光は、鏡やツルツルした金属の表面に当たると 反射(Reflection) します。


この反射の法則は 「入射角=反射角」 というシンプルなものですが、
この性質を利用することで、鏡に映る像ができたり、ライトが均等に反射されたりするのです。

また、光が反射を繰り返して進むと、まるでジグザグに進んでいるようにも見えます

 例:鏡に映る自分の姿、湖の水面に映る景色



✅ ③ 重力による曲がり(重力レンズ効果)

これは、アインシュタインの相対性理論 に関わる話です。

「光って質量がないのに、重力の影響を受けるの?」
と思うかもしれませんが、実は重力が強い場所では、光の進む道が曲がる のです。


これを 重力レンズ効果(Gravitational Lensing) と呼びます。


例えば、ブラックホールの近くでは光がぐにゃっと曲がる ことが分かっています。
これがなぜ起こるのかというと、重力が時空を歪ませることで、光がその歪みに沿って進むからです。

これは、ちょうどボールを布の上に置いたとき、布がへこむのと同じような現象です。

例:ブラックホールの周りで光が曲がる、遠くの銀河が歪んで見える



✅ ④ 大気の影響で光が曲がる(大気差)

地球の大気も光を曲げる要因になります。

これは 大気差(Atmospheric Refraction) と呼ばれる現象です。


例えば、太陽が沈んだ後も、まだ太陽が見えていることがありますよね?
これは、大気が光を曲げているため、実際よりも遅く沈んでいるように見えるのです。

また、蜃気楼(しんきろう)もこの現象の一種で、
空気の温度差によって光の進む道が変わり、景色が浮いて見えたり、逆さに見えたりします。

例:夕日が実際より長く見える、蜃気楼が発生する



 まとめ:光は本当にまっすぐ進むのか?


真空中では光は基本的に直進する
水やガラスなどの異なる物質を通ると屈折する
鏡やツルツルしたものに当たると反射する
ブラックホールのような強い重力の近くでは光が曲がる
地球の大気の影響で光が曲がることもある


つまり… 「光はまっすぐ進むとは限らない!」 ということです!

普段は意識しませんが、光はさまざまな要因で曲がったり歪んだりしているんですね!

これからは「光=直線」という固定観念をちょっとだけ変えて、
身の回りの光の動きを意識してみるのも面白いかもしれません!

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