ロケットはなぜまっすぐ上昇できるのか?
ロケットの形といえば、細長い鉛筆型 を思い浮かべる人が多いでしょう。
そしてその鉛筆の下から猛烈な火を噴き出しながら まっすぐ空へと飛んでいく わけですが…
「えっ?普通に考えたら、あんな不安定な形なのに横倒しにならないの?」
「どうしてあんなにまっすぐ飛んでいけるの?」
と、疑問に思ったことはありませんか?
今回は、ロケットが ブレずにまっすぐ飛んでいける理由 について解説していきます!
そもそもロケットはなぜ飛べるのか?
ロケットが飛ぶ原理は 「作用・反作用の法則(ニュートンの第三法則)」 によります。
これは、「何かを押せば、逆方向に押し返される」 という法則です。
たとえば、
✅ 水風船を押したら手が濡れる(押し返される)
✅ ボートから岸を押すと、自分のボートが後ろに下がる
✅ ジェット噴射のエンジンは、後ろに空気を吹き出して前に進む
これと同じで、ロケットは エンジンから猛烈な燃焼ガスを下方向に吹き出すことで、上方向へ進む ことができます。
では、なぜ横倒しにならずにまっすぐ飛べるのか?
ロケットが 安定して上昇する理由 には、大きく 4つのポイント があります。
① ロケットの重心が低い(ペン先にオモリがついているような状態)
ロケットは 下の方が重くなるように設計 されています。
ロケットの下には、
✅ 燃料タンク
✅ エンジン
などが詰まっていて、ここが 一番重い部分 になっています。
つまり、ロケットの構造は 「鉛筆の先端にオモリをつけた状態」 に近くなっており、
上昇時に 安定してまっすぐ飛びやすい のです。
※逆に、重心が上にあると「逆さコマ」のように不安定になり、倒れやすくなります。
② フィン(翼)でバランスを取っている
ロケットの下の方を見ると 小さなフィン(翼) がついていることがあります。
このフィンが 風の影響を受けてバランスを取る 役割を果たしています。
風が当たってロケットが少し傾いても、
フィンが「飛行機の尾翼」のように働き、すぐに姿勢を戻してくれる のです。
③ コンピューターがリアルタイムで調整している
ロケットの中には ジャイロセンサー(角速度センサー) という装置が搭載されています。
このセンサーがロケットの微妙な角度のズレを感知し、自動的にエンジンの噴射方向を調整 してくれます。
たとえば…
✅ 少し右に傾いたら、左側の噴射を強くする
✅ 左に傾いたら、右側の噴射を強くする
こうして 細かい修正をリアルタイムで行いながら まっすぐ飛ぶことができるのです!
④ 大気圏を抜けるまでの速度が超高速!
ロケットが飛び立つとき、ものすごいスピードで上昇 します。
時速 28,000km 以上の速度で飛ぶため、空気の影響を受ける時間が短くなり、
「風に流されて横倒しになる」といったリスクを防ぐことができます。
※風に流されやすいのは、ロケットがまだ低速で飛んでいる 発射直後の数秒間 だけです。
この短い間に、フィンやセンサーの働きで姿勢を安定させています。
まとめ:ロケットがまっすぐ飛べる理由
✅ 重心が低く設計されている(ペン先にオモリ)
✅ フィン(翼)が風の影響を抑えてくれる
✅ コンピューターがリアルタイムで角度を修正
✅ 超高速で飛ぶため、空気の影響を受けにくい
ただ単に 「下から火を噴くだけで飛んでいる」 のではなく、
精密な設計・センサー制御・空力の工夫 によって まっすぐ上昇できるようになっている のです!
次にロケットの打ち上げ映像を見たときは、
「どうやってまっすぐ飛んでいるのか?」
という視点でじっくり観察してみると、また違った面白さがあるかもしれません!