テストが返却されたとき、「自分では正解を書いたつもりなのに、なんで×なんですか！」と文句を言う生徒が時々います。しかし、採点は書いた本人の意図でなく、採点者がどう受け取るかが基準です。自分だけが「正しい」と思っていても、採点者に伝わらなければその回答は正答として扱われません。

文字や回答は、ただの「自分用のメモ」ではありません。文字はあくまで相手に伝えるためのコミュニケーションツールであり、その文字が読み手にとって正確に伝わるものでなければ、正解と認められません。

1. 自分だけが分かる回答は正解にならない

1. 採点は採点者が正しいと認めたものだけが〇

　テストは、採点者が解答をどう評価するかで点数が決まります。自分がいくら「正しい」と思っていても、採点者にとって「読みづらい」「解釈しづらい」ものであれば、それは不正解になります。文字や記号がしっかりと読み手に伝わって初めて正解とされるのです。

• 　・例: 例えば、筆記の数字「1」がアルファベットの「I」や「7」に見えてしまうと、どんなに本人が正解を書いたつもりでも、採点者には異なる文字に見えることがあります。見間違えられるような書き方では×になると考えておくことが大切です。

2. 「自分だけ分かればいい」という考えでは成長しない

　「自分には分かるから」と思っていると、自己満足に陥りやすく、文字の書き方に配慮がなくなってしまいます。テストや試験は、他人に自分の回答を評価してもらう場なので、「分かりやすく伝える」ことを意識する姿勢が必要です。これを身につけると、成績アップはもちろん、社会でのコミュニケーションスキルも身につきます。

• 　・改善策: 自分ではなく「採点者がどう受け取るか」を意識し、文字や記号が正しく伝わるように心がけましょう。

2. 文字はコミュニケーションの道具

1. 文字は相手に理解してもらうためのツール

　文字や文章は、相手に伝わるための道具です。自分だけが分かれば良いのではなく、読み手や相手が正しく理解できるように書くことが大切です。特にテストの場面では、採点者が誤解しないような丁寧で正確な文字を書くことが必要です。雑な文字は、誤解や不正解の原因にもなるため、きちんとした字を書く意識を持つことが重要です。

• 例: 漢字の「方」と「万」や「木」と「本」など、似た形の文字もあります。自分が正しいつもりでも、相手に誤解されるような書き方では、コミュニケーションツールとしての文字の役割を果たしていません。

2. 見た目で相手に与える印象も変わる

　文字は書き手の性格や真剣さ、丁寧さをも表します。丁寧に書かれた文字は、読み手に好印象を与え、内容が伝わりやすくなる一方、雑な文字や読みにくい書き方は、読み手に不信感や雑な印象を与えてしまいます。採点者や相手に「分かりやすい、丁寧な字だ」と思われる書き方をすることは、良いコミュニケーションの基本でもあります。

• 　・改善策: 普段から「読みやすく丁寧な文字を書く」ことを意識し、文字を相手に伝える大切なツールと考えるようにしましょう。

3. 正確さと丁寧さを意識することで成績もアップ

1. 雑な字や自分だけの解釈は採点ミスにつながる

　自分が「合っている」と思っているだけで、本当に正しい書き方や伝え方を意識しなければ、テストでのミスも増えてしまいます。特に数学や漢字などの記述式の問題では、少しの違いが大きな減点に繋がります。相手に伝わりやすいように意識を変えることで、より正確で確実な回答ができるようになります。

• 　・例: 数字の「7」と「1」を明確に書き分けたり、漢字の細かい部分を意識するだけで、ミスが減り、成績アップに繋がります。

2. 成績向上には自分の字を見直すことが重要

　テストで×がつく理由の一つが、字が雑だったり誤解を生むような解答をしていることです。つまり、自分の文字がどう見えているかを見直すことで、ミスが減り、正確に伝える力が身に付きます。このスキルは、将来的に仕事や生活の中でも活きてくる大切な力です。

• 　・改善策: 解答を書く際には「この文字は正しく相手に伝わっているか」と考え、字を丁寧に書く習慣をつけましょう。

まとめ

テストの採点は、自分だけが分かる解答ではなく、採点者が正しく理解できることが重要です。「惜しい」「自分だけは分かる」ではなく、相手に伝わるための文字や解答を意識することが、成績向上の近道です。

文字はコミュニケーションツール。相手が読みやすく、理解しやすい文字を書くことで、ミスを減らし、伝わる力も身に付きます。日頃から正しく伝わることを意識した書き方を心がけ、テストでも自信を持って「〇」をもらえるようにしていきましょう。