知ってますか? “人工太陽”をつくる!?日本の核融合エネルギー研究 (シリーズ第8回:これからの世界に誇れる日本の科学技術)
★「人工太陽」って本当に作れるの?
「太陽のようなエネルギーを地球で作る」――
まるでSF映画のような話ですよね。
でも実は今、日本をはじめ世界中で“人工太陽”をつくる研究が進んでいるんです。
この人工太陽こそが、核融合(かくゆうごう)エネルギー。
そして日本は、この分野で世界の最前線に立つ国のひとつなんです!
◆ 太陽の中で何が起きているの?
太陽のエネルギーは、「核融合」という反応で生まれています。
これは、水素の原子がぶつかって“くっつき”、ヘリウムという新しい原子になるときに、
ものすごいエネルギーを出すという仕組み。
この反応を地球上で再現できれば、
石油や石炭のように燃やさなくても、
きれいで無限に近いエネルギーを作れるようになるんです。
★ 日本の挑戦「JT-60SA」プロジェクト
日本では、茨城県那珂市(なかし)にある研究所で
「JT-60SA(ジェーティー・ろくまる・エスエー)」 という巨大な装置を使った研究が行われています。
これは、ヨーロッパとの国際共同プロジェクトの一部で、
世界最大級の核融合実験装置のひとつ。
内部はまるで“磁石のドーナツ”のような形で、
電気と磁力で「太陽のような超高温のプラズマ(約1億度!)」を閉じこめて制御しています。
日本の技術者たちは、この装置の設計や建設、制御システムなど、
世界の中心的な役割を担っています。
● どうして“夢のエネルギー”と呼ばれるの?
核融合エネルギーが“夢”といわれる理由は3つ。
1️⃣ 燃料がほぼ無限
海の中にある「重水素」から作れる。だから資源が尽きない!
2️⃣ 二酸化炭素を出さない
地球温暖化の原因になるCO₂を出さない、クリーンな発電。
3️⃣ 安全性が高い
もし装置が止まっても暴走しないしくみで、原子力よりずっと安全。
つまり、地球と人にやさしい未来のエネルギーなんです。
◆ 日本が世界をリードする技術力
JT-60SAは、将来の国際実験炉「ITER(イーター)」につながる大きな一歩。
日本の研究者は、磁場制御・超伝導コイル・プラズマ制御技術などで
世界トップレベルの成果を出しています。
特に「安定して高温を保つ技術」や「装置を壊さず制御する技術」は、
世界の科学者が「日本にしかできない」と認めるほど。
この努力が、人類が“太陽を手に入れる”未来へつながっているのです。
★ 子どもたちへのメッセージ
今の地球は、エネルギーと環境の問題に悩んでいます。
でも、日本の科学者たちは、「希望の火」を絶やさず研究を続けているのです。
“人工太陽”を作る――
それは、地球を照らすだけでなく、未来の命を守る科学でもあります。
みんなの中にも、将来このプロジェクトに関わる人が出てくるかもしれません。
だからこそ、今から「エネルギーって何だろう?」と考えることが、
未来の第一歩です☆
★まとめ
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・「核融合」は太陽と同じ仕組みでエネルギーを作る技術
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・日本の「JT-60SA」が世界最大級の人工太陽実験を行っている
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・燃料が無限でCO₂を出さない、夢のクリーンエネルギー
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・日本の技術が、地球の未来を明るくしている

